2013年5月29日水曜日

読み物まとめ: 4月-5月

  • ちはやふる20巻  
全巻通して読んでいますが、各巻読み終えるたびに背筋が伸びる思いです。登場人物成長モノはジャンプ黄金期から数え切れないほど読んできてますが、これほど日常レベルで劇中の名言を自分に還元できる作品はちはやふるが初めてですよ。原作者の末次先生は過去に大変なこともあったようですが、そのときの経験が活きて、この素敵な作品を生み出す原動力になっているんだなと、各巻の表紙の折り返し原作者コメントを読んでそう思いました。アマゾンJPの海外発送料なんて全然苦じゃないわ、ってレベルで毎巻楽しみにしています。

21巻が待ち遠しい

ハードカバーは今年の11月に出るようですが、僕は20$の電子書籍版を購入して読みました。これはホントいい買い物をした!人にわかりやすく説明する手本といっていい。青木さんの RHG や巷の Yarv ソースコードリーディングブログ に比べてしまうと処理系内部のコードの掘り下げは比較的浅いが、そのぶん具体的なユースケースが Ruby 1.9 にどのように口で噛み砕かれて、食道を通って、胃で消化されるのかが順を追って詳細な図とともに説明されている。そして、実際はもっと複雑なんだけれど今は伝えるべき重要な本質があるのでその複雑な部分の説明は省きます、とその削ぎ落とし具合も絶妙。Scott Meyers の C++11 の Universal Reference  のビデオで便宜上嘘を鵜呑みにしておくことは時として真実を知ろうとするよりも役に立つことがあると言っていましたが、まさにソレ。煩雑な部分は後回し、今は押さえるべき重要なポイントがあるんだ、筆者のそんなスタイルが功を奏しています。

熟知しているのに説明ができない、そういう場面では本当にがっかりします。理解ができているのに、人に説明するのが下手もしくは出来ないのは最大の罪ですよ(お前どの口が言ってんの、という反論は受け付けます)。だったら私には分からないと言ってくれたほうがこっちはよっぽどすっきりする。そうならぬよう、仕事で己の作業分を別の人物に噛み砕いて説明する際は、図をいかに有効活用するかという意味でこの本が非常にためになる。言語処理系という同じ分野なので、処理系内部で起こっていることを図にするときはどう描くと分かりやすいのか、という意味でも参考になりますしね。

うちのチームでもこれくらい分かりやすい図を描く時間があったらいいなと思うんですが、Ruby Under a Microsope の著者はマッキンゼーで仕事をフレキシブルにしてもらいつつこれを書いたと謝辞にあった。自分も頼んだらもしかしてやらしてくれるかなぁとか。無理かぁぁ・・・!

2 件のコメント:

  1. ちはやふるは泣けますよね。そして展開が熱すぎて熊先生がかっこよすぎるんですw
    あ、明日電話でmathworks本社のマネージャーの方と面接させていただきます。
    どうか受かりますようにっ

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  2. > 匿名さん
    素晴らしい作品だと思います。特に18巻の「生みの苦しみを知りなさい」はズシリときました。技術者のはしくれとして、何かを作るという行為は、数ある選択肢のなかから己の意思でひとつだけを選び出すことと同義だと思っているので、その意思決定の際に他を切り捨てることの苦しみは多少なりとも感じています。最近のちはやふるは激戦の中に挟まれるささいなギャグのせいか、作品の匂いがどことなくスラムダンクと似てきた気がします。

    インタビュー上手くいっているといいですね!

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