2011年8月5日金曜日

コミッタになります

MathWorks に入社してから約一年半が経つ。そして最近インタビューがあって、開発チームからオファーをいただき、近いうちにそこに異動することが決まった。したがって、今の部署 Engineering Development Group (EDG) で 50% サポート、50% プロジェクトでこれまできていたのが、100% 開発にスイッチする。


EDG からどの部署への異動するかは、かんぜんに本人の希望次第。設計したり、がりがりコードを書いたりしたい人は、Development や Quality Engineering が待っているし、テクニカルでありながらお客様との直接コンタクトを望む人には、Application Engineering や Consulting というような選択肢がある。以前のエントリーにも掲載したが、詳しくはこちら


もともと開発系に行きたかったものの、具体的にどのチームに行きたいかは入社当初さだかではなかった。MATLAB の Toolbox の数をかぞえてみても想像できるかもしれないが、社内にあふれるドメインの種類はそれこそ様々。そんな数多の選択肢の中から、自分の異動先を決めるきっかけになったのは、お客様のケースにじかに触れられる EDG での経験、伊藤直也さんのブログエントリー「エンジニアの不安と壁」、書籍 Binary Hacks 巻頭の川合史朗さんの「本書に寄せて」、そしてカーネギーメロン大学のソフトウェア工学修士で学んだこと、などだった(このほかにも、きっかけになったエピソードは多くあります)。これらが常に頭の片隅にあって、入社してしばらくしてから、自分はこの道に進むと心にかたく誓った。そしてその道のスタート地点に立つことができた今、これから自分が考えることは、”やるか、もしくはやれないか”。小飼弾さんのいうところの「エンジニアとは肩書きではない。行為であり行動なのだ」である。


と、いろいろ理屈を並べてみたが、結局のところは「それがクールで好きだから」、ただそれに尽きます。


推薦を蹴って大学受験をすると言い出したとき、カーネギーメロン大学のソフトウェア工学修士にアプライしたとき、米国で就職活動したとき、そして今回、希望の異動先を自分で決めてそこに異動が決まったとき、これらのすべて出来事を振り返ってみて気づいたことは、自分がもの凄くしつこい性格をしているということだった。具体的には、1) 一度こうだと決めたら、その道を貫く。結果を出すまで他人からの誘いやオファーは基本的に受け入れない(もちろん考慮はする)。 2) 最後まであきらめず突っ走って結果を出す。成功であれ、失敗であれ、いつでも自分の手で結末を叩き出しそれを自分の目で見る。


仕事の昼休みは片手でパンをかじりながらいつも技術書を読んでたし、週末もコンピュータ、数学関連のことに明け暮れた。決してまっすぐな道のりではなかったが、これまで人生で下してきた決断を悔いたことは僕はあまりない。自分で道を切り開いていくとき、ターニングポイントで自分に嘘をつかなかったからだろう。


これから長い旅が始まる。オープンソースではない proprietary な世界だけど、ここで全力を出して日々楽しんでいくとしよう。あと当然ながら、外の世界の動きにもアンテナを張ることを忘れてはいけない。いつでも自分のショボさを知るのは半分気持ちがいいものだ。

A good scientist is a person with original ideas. A good engineer is a person who makes a design that works with as few original ideas as possible. There are no prima donnas in engineering.

Freeman Dyson

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