2010年12月31日金曜日

さらば 2010年

人生には時として、アルキメデスの支点ではないが小さなテコ入れでその後のパスが大きく変わることがある。今年はまさに自分にとってそんな年だった。2009年末から米国での就活に苦しみながらも、ここまでたどり着いたことに今はただ感謝したい。2005年から数えて人生でこれほど「落ち着いた」と思えたのは、今年が初めて。ただ、周囲はめまぐるしい勢いで日々進化を続けていることを考えると、「落ち着いた」と思えることほど危険なことはない。だから、なんらかの手を使って精神的に自分を追い込むことが日々の課題。

さて、来年のことをふと考えたときに自分がもう around 30 になっていることに気づいた。そこから、むかし学部の理工図書で気まぐれで借りた本のことを思い出した。



自分が読んだのが第何版かは忘れたが、ずいぶんと切れ味のいい目次に面食らったことだけは覚えている。手元に本がないので肝心の中身を覚えていないが、目次だけは手元にあった。自分がどれだけそのノルマをこなせたかを以下に示す。

  • 針路は20代で決まる
  • 20代には人生にかけがえのない灯が二度ともされる。それは、20代前期にやってくる就職と、後期に訪れてくる結婚である。
    だそうな。この本が書かれたのが80年代、90年代。それから時が過ぎ社会も変化してきたため、現代から見ると100%賛同しきれないところもある。就職は大事だが転職もよく見られる今、それが一度きりの点灯だとは思わない。後者は同意、一夫一婦制ならなおさら。自分は後者は未点灯。

  • 心は高く持て
  • 小さいながらも、どの瞬間でも何か目指してるものがあった。

  • 尊敬する人物を持っているか
  • たくさん。あえて一人選ぶとすれば、Carnegie Mellon 大学の Anthony Lattanze 教授。

  • 孤独の楽しさを知れ
  • 人といるのは楽しくて好きだが、何かを身につけるときは必ず一人じゃないとダメ。あれこれ悩みきってからじゃないと腹の底に落ちないから。人のために役立った力というのは、孤独なときに自分と向き合って格闘しながら身につけた技術であることが多かった。だから自分にとって孤独になることとは、他人のために使う力を身につけるための準備期間。これ以上楽しいことがあろうか。

  • 真の愛を知れ
  • 本が手元にないので、どのタイプの愛のことを言っているか忘れた。両親からの愛なら結構分かっているつもり。

  • 他人のためにつくせ
  • アバン先生曰く、修行で得た力というのは他人のために使うもの。自身の just for fun と他人のためは表裏一体だと思う。

  • 恩を忘れるな
  • ある人と会ったら、その人とのエピソードをほとんど思い出せると思います。ただ、持ちつ持たれつというより、持たれっぱなしな感が否めない。

  • 良き友を選べ
  • 連絡を取る取らないの頻度の違いこそあれ、私はこれまで国籍を問わず友人に恵まれてきた。

  • 大学をレジャーランドにするな
  • してました。後にまわりに凄い迷惑をかけてちょっと軌道修正したつもり。

  • 心に価値のある職を選べ
  • 今の会社のスローガン、Accelerating the pace of engineering and science は好きだ。

  • 新人は最下層なのを自覚せよ
  • これまで層なんてものが上がったのを感じたことがない。

  • 「好き」だけで結婚するな
  • Not applicable

  • 結婚とは親を取り替える儀式だ
  • ditto

  • 妻を愛すること
  • ditto

  • 父よりも夫であれ
  • ditto

  • 男のロマンを子供に伝えよ
  • ロマンは伝えたいけど、自分の人生を決めるのは子供自身だろうと想像したり。

  • 先輩に追いつき追い越せ
  • 自分にとって先輩はいつでも先を走ってる。人生の地層が常に自分より高いのだから。まぁだからこそ”追い越せ”なのか。

  • 後輩に学び、そして蹴落とせ
  • 後輩にはずっと蹴落とされっぱなし。

  • 自然を愛せ
  • まだこれといった活動ができていない・・・

  • 自分に賭けろ
  • まだ賭けきれていない気がする。自分のできそうなところから始めるというスタイルがそう感じさせているのかも。
まだ時間があるのでカバーできてないところは来年から始めてみる。


皆様よいお年を!そして来年もどうぞよろしくお願いします。

2010年12月28日火曜日

Blizzar ~ d !!

ボストンエリアでは、クリスマスイブあたりから雪が降り始め、週末には結構な積雪になっていた。日曜日は一日中吹雪いていて、全米各地の空港で stranded になっている友達もちらほら。今日、月曜日になってもその雪の勢いはおさまるどころか悪化する一方。自分は今日遅めの出社だったので、近所の同僚はすでに出社しただろうと思い、車は頼まず思い切って歩いて会社に行くことにした。


▲家の近く、こんな感じ

日本の歩道の除雪作業を想像しつついざ通りに出ると what the hell !? 車道はきれいに雪かきされていたが、そのしわ寄せがすべて歩道にきていた。仕方ない、こんな中歩いてる crazy なやつは自分しかいないもんなあ、と思いつつズボズボ雪にめり込みながら軽く一時間近くかかって会社到着。

職場に着くと、私を心配したマネージャーや同僚が、連絡すればいつでも家に迎えにいってやるからと親切な言葉をかけてくれた。家族が病気になったりすると早退も許されるし、今朝のような言葉もかけてくれるし、人に対してはホントに温かい。

とある理由で免許取得をしぶってた私だけど、今日はそのしぶりを打ち消すのに十分なブリザードだった。


▲自分のオフィスから。夕方になって少しマシになった

2010年12月19日日曜日

ボストン日本人研究者交流会、初参加

12月18日(土)、このまえネットで知って登録したボストン日本人研究者交流会に初参加してきた。この日はカメラを家に置いてきてしまったので今回は写真をとれず。残念。

会自体は16時開始だったので、正午に South Station に到着して、スタバに寄ったり、Frog Pond がスケートリンクへと様変わりした Boston Commons を歩きながら、読書をして時間をつぶす。

開始時間直前になり、会場となっていた MIT の一室に移動。会場内には、各席にどら焼きと緑茶が置いてあってもうそれだけで幸福感↑。まわりには日本人の方々が約80人以上ずらりと。それでさらに幸福感↑↑。参加者のみなさん同士は、ほぼすでに知り合いであったようだが、私はどなたも知らなかった。そういう中に自分一人で入っていくのは、思えば大学のサークルに入ったとき以来で、これが結構ドキドキした。

この日の講演は2つあった。前者は精子と卵子、それを用いたバイオテクノロジーのお話。遠藤さんという方が、精子と卵子の神秘のほんの一端を見せてくれた。世の中には自分の知らないことばかりで、この講演でも二つの細胞のその見事な仕組みにただ唖然としていた。どうやってプリプログラムされてるのか全く想像もつかないが、生き物は凄い。もう一つの講演は、このブログの中のひと古賀さんによるもの。内容は、現在のお仕事の内容およびアメリカでの就職活動。詳細はご本人のブログにすべて綴ってあるのでここでは省略。それ以外で感じたことは、古賀さんご本人がこれまたパワフルな方で、私見だけど、ブログやツイッターから想像していた以上に、発せられる言葉ひとつひとつにハートがこもる方だった。ナマのお姿を見られただけでもうこの日は満足。それと同時に、Facebook や Twitter でどれだけネットワーキングが便利になっても、本人と相対する face-to-face には遠く及ばないと感じた。こと古賀さんだけに限っていえば、ご本人のインパクトはそれだけ強かった。

さて、普段は Boston から帰るときは18:00の Commter Rail を捕まえるのだが、この日は懇親会があったので、最終23:00の Commter Rail まで引き延ばした。私は、日本の方とのお酒となると、それが最優先事項になり、その他は基本的にどうでもよくなってしまいます。お酒の席で皆さんと話をさせていただいたら、こちらで仕事をしてらっしゃる方、ポスドクの方、Ph.D の方、語学を学びに来てらっしゃる方、それはもういろいろな方がいた。中には、自分が小学生の頃毎週受けていた四谷大塚の週末テストで、同じ会場になった(だろう)方もいた。当時その週末テストで成績優秀で有名だった子の名前をその方と私が知ってたりして、もうなんと世界のせまいこと。楽しい時間を過ごさせていただきました。

これまで Natick ではほとんど日本の方を見かけなかったけど、少し足をのばせばこれだけの日本の方に会えることを知ってこの日は嬉しくなった。幹事の方もありがとうございました。また次回も行くと思いますので、よろしくです!

追記:
仕事も来週から個人的に強力な助っ人が加わるので、これもまた楽しみ。

2010年12月11日土曜日

職場の同僚と一息

早くも12月。Holiday season も始まって、忙しさも徐々にやわらいできた。そんな中、今週のはじめに自分のいる department でホリデーパーティーなるものが開かれました。平日にも関わらず、一日の半分の業務を完全にシャットダウンして皆で楽しもうという発想は、自分の人生でこれまでなかったのでかなり衝撃。

形式は potluck party、つまり一人一品何かパーティー会場に持ち寄ってみんなでシェアするというもの。自分は近くの酒屋で日本酒を購入(好評であっという間になくなりました!)以前触れた通り、この department はインド人の割合が50%を超えているので、このパーティー会場ははっきり言ってインド料理ビュッフェ、その品数は半端なかった。


左:このテーブルの大半もインド料理
右:この日の午後は仕事を忘れてリラックス

普段は夕方5時30分を過ぎるとすぐに皆帰宅を始めてしまうし、忘年会みたいなものもないので、こういうイベントは大歓迎。楽しいひとときでした。

そして、今日は自分が初めてチームのリーダーを務めた日だった。チーム全体のアクティビティを統括しつつ、エンジニアひとりひとりの質問に答え、舞い込んでくる案件を他のエンジニアがいち早くさばけるように次のステップを示したり。これだけコンテキストスイッチを強いられたのは本当にひさしぶり。でも、一日の最後に皆から「Thanks Yuki !」とねぎらいの言葉をかけてもらったし、不思議と疲れも全くなかった。

そして仕事の後は、チームの数人、そしてこれまで頑張ってくれたインターンと一緒にメキシカンのお店に行った。


左:海老のガーリックソース和え
右:夕食後、外は摂氏マイナス3度

もうすぐ2010年も終わり。けど、年末だからといって歩みをゆるめることなく、充実した毎日を送れるようにしていきます。